友達作りが苦手な子供に読ませたい絵本5選

「うちの子、なかなか友達ができなくて…」そんな悩みを抱える親御さんは多いのではないでしょうか?

たとえば、私の友人はこんなエピソードを話してくれました。

息子さんが、ある日「僕、友達いないかも…」と寂しそうに打ち明けたそうです。親として何かしてあげたくても「どう励ませばいいのか分からない」と悩んだそうです。

そんなとき、彼女が手に取ったのが一冊の絵本でした。
それが、息子さんの表情を少しずつ変えていったのです。

絵本には、物語を通して「失敗しても大丈夫」「新しい一歩を踏み出そう」といったメッセージが詰まっています。

この記事では、友達作りに悩む子どもたちに寄り添える絵本を厳選してご紹介します。

友達作りが苦手な子どもに絵本は効果的?その理由と背景を解説

友達ができない…子どもの心のつぶやき

子どもが「友達ができない」とポツリと呟いたとき、親として胸が締め付けられるような気持ちになりますよね。

特に、幼稚園や小学校という初めての集団生活では、子どもたちが社会性を学び始める重要な時期です。しかし、すべての子どもがスムーズに友達を作れるわけではありません。

たとえば、こんなシーンを想像してみてください。
休み時間に遊びたいけれど、誰に声をかけていいのかわからない。

みんなが仲良く遊んでいる中で、自分だけが取り残されたように感じる…。子どもにとって「友達を作る」というのは、思った以上に勇気が必要で、不安を伴うものです。

文部科学省の調査によると、

小学生の約3割が「友達付き合いに不安を感じる」

と回答しています。

また、心理学者の研究では、友達作りが苦手な子どもは自己肯定感が低下しやすい傾向があることが分かっています。

このような背景を踏まえると、友達作りに悩む子どもたちをどう支えるかは、親にとって重要なテーマだと言えるでしょう。

「頑張って」と声をかけるだけでは足りない理由

多くの親が、子どもの悩みを聞いて

「勇気を出して声をかけてみよう!」
「きっと大丈夫だよ!」

と励まします。
もちろん、これらの言葉には愛情が込められています。

しかし、実際にはこうした言葉だけでは解決にならないことが少なくありません。なぜなら、子どもは「どうすれば友達を作れるのか」が具体的に分からないからです。

「声をかける」「遊びに誘う」といった行動のハードルは、子どもにとって想像以上に高いもの。さらに、断られるかもしれないという不安が心のブレーキとなってしまうことも多いのです。

絵本が友達作りを助ける理由

では、親ができるサポートとは何でしょうか?
ここで登場するのが「絵本」です。

絵本には、友達作りのヒントがたくさん詰まっています。

例えば、登場人物が新しい友達を作るために努力したり、失敗しながらも関係を深めていく姿を描いた物語は、子どもにとって具体的な行動例や感情の整理を学ぶ機会になります。

特に、絵本には次のような効果があります。

  1. 共感を生む
     物語を通して登場人物の気持ちに共感することで、自分の感情を整理したり、「自分だけじゃないんだ」と安心感を得たりすることができます。
  2. 行動のモデルを提供する
     絵本の中で、主人公がどのように友達と仲良くなったのかを学ぶことで、子ども自身も「こうすればいいんだ」と行動のヒントを得られます。
  3. 親子の対話を促進する
     一緒に絵本を読むことで、親子の会話が生まれます。「このキャラクター、どう思う?」「もし自分だったらどうする?」と問いかけることで、子どもの考えや不安を知るきっかけになります。

親として大切なこと

絵本は万能な解決策ではありませんが、子どもが一歩を踏み出す「きっかけ」を与える力を持っています。親としての役割は、絵本を通じて子どもの気持ちに寄り添い、行動をやさしく後押しすることです。

「友達作りが難しい」という悩みは、子どもが社会性を学ぶうえで避けられない課題かもしれません。

でも、それを絵本という形でサポートできるのは、親として素敵な選択肢のひとつではないでしょうか。

親子で楽しめる!友達作りをテーマにしたおすすめ絵本5選

友達作りに悩む子どもに寄り添う絵本はたくさんありますが、ここでは特におすすめの5冊を厳選してご紹介します。

それぞれの絵本には、友達を作る勇気や大切さ、相手を思いやる心が描かれています。親子で一緒に読みながら、物語を通じて子どもと対話をするきっかけにしてみてください。

1. 『ともだちや』(作:内田麟太郎 / 絵:降矢なな)

あらすじ
ある日、キツネが「ともだちや」と名乗り、さみしい動物たちの友達になる商売を始めます。しかし、そこに現れたオオカミとの出会いが、キツネの心を大きく揺さぶることに。真の友情とは何かを考えさせられる物語です。

おすすめポイント
この絵本は、「友達って何?」という子どもの根本的な疑問に答える一冊です。お金で買えない本物の友情をテーマにしており、子どもたちに「友情の価値」について考えさせるきっかけになります。

親子で話してみたいこと

  • キツネとオオカミの関係をどう思った?
  • 自分にとって「本当の友達」ってどんな人だと思う?

2. 『おおきな木』(作・絵:シェル・シルヴァスタイン)

あらすじ
小さな男の子と大きな木の友情を描いた物語。木は男の子が欲しがるものを与え続け、やがてすべてを失います。それでも男の子が帰ってきたとき、木は幸せを感じます。

おすすめポイント
この絵本は「与える愛」の象徴として、多くの親子に読まれています。友情とは相手に尽くすことなのか、またそのバランスについても考えさせられます。

親子で話してみたいこと

  • 木の行動をどう思う?
  • 男の子が最後に戻ってきた理由は何だと思う?

3. 『はらぺこあおむし』(作・絵:エリック・カール)

あらすじ
生まれたばかりのあおむしがいろんなものを食べ、成長していく様子を描いた物語。友達作りの絵本ではありませんが、「成長」や「変化」がテーマで、自分を信じて成長することの大切さを学べます。

おすすめポイント
友達作りに悩む子どもにとって、「自分を受け入れる」ことは第一歩。この絵本は、子どもが自分に自信を持つためのきっかけになります。

親子で話してみたいこと

  • あおむしが蝶になったとき、どう感じた?
  • 自分が「成長した」と感じることはある?

4. 『ちいさいおうち』(作・絵:バージニア・リー・バートン)

あらすじ
田舎に建つ小さなおうちが、周囲の変化に戸惑いながらもたくましく生きていく物語。友達作りのテーマというよりは、環境の変化や孤独をどう乗り越えるかを教えてくれる絵本です。

おすすめポイント
新しい環境に飛び込む勇気や、周囲の変化を受け入れる力を学べます。子どもが友達作りに悩む理由のひとつに「環境の変化」がありますが、この絵本はその気持ちに寄り添います。

親子で話してみたいこと

  • おうちはどうして最後に幸せになれたと思う?
  • 自分が新しい環境で緊張したとき、どうしたらいい?

5. 『きみがすき』(作:にしまきかやこ / 絵:にしまきかやこ)

あらすじ
「きみがすき」という言葉を軸に、主人公が友達への思いを素直に伝えるストーリー。簡潔でシンプルな言葉が、子どもたちの心に響きます。

おすすめポイント
この絵本は、友達に対して「好き」という気持ちを伝える勇気を教えてくれます。恥ずかしがり屋の子どもにとっては、相手に気持ちを伝える一歩を踏み出す助けとなります。

親子で話してみたいこと

  • 友達に「好き」と伝えるのはどんな気持ち?
  • 自分が「好き」と言われたらどう感じる?

親子で絵本を読む時間が育むもの

どの絵本も、子どもの心に寄り添い、友達作りのヒントを与えてくれる素敵な作品ばかりです。

大切なのは、ただ読むだけではなく、親子で一緒に楽しみながら「感じたこと」を共有することです。そうすることで、子どもが抱える不安や悩みに自然と気づき、適切なサポートを提供するきっかけになります。

絵本がきっかけで変わった!あるママのエピソード

友達作りが苦手だった6歳の娘

Aさん(仮名)は、6歳の娘さんが幼稚園の年長クラスに進級した頃、友達作りに悩んでいることに気づきました。

娘さんはとても恥ずかしがり屋で、自分から話しかけることが苦手。お迎えに行ったときも、他の子どもたちが楽しそうに遊ぶ輪の外で、一人静かに遊んでいることが多かったそうです。

「今日は誰と遊んだの?」と聞いても、「誰とも遊ばなかった」と寂しそうに答える娘さんの姿に、Aさんは心を痛めていました。

どうにかして友達作りのきっかけを与えてあげたい。
でも、「頑張って!」と励ますだけでは効果がないと感じていました。

絵本との出会い

そんなある日、Aさんは友人の勧めで『ともだちや』という絵本を手に取ります。この絵本は、キツネが友達になる「ともだちや」という商売を始める話。

Aさんは「これなら娘にも分かりやすいかも」と思い、娘さんと一緒に寝る前に読むことにしました。

最初は物語に集中していた娘さんでしたが、次第に、

「どうしてキツネはともだちやをやめちゃったの?」

と質問してくるようになりました。

それに対してAさんは、「キツネは、本当の友達を作りたかったんじゃないかな」と答えます。その言葉を聞いて、娘さんは少し考え込んだ様子でした。

行動が少しずつ変わる娘の姿

絵本を読んだ翌日、Aさんは驚くべき変化を目にしました。

いつもなら他の子どもたちが遊ぶ輪に入らない娘さんが、そっと近づき、勇気を出して「一緒に遊んでもいい?」と声をかけたのです。

最初は緊張していた様子でしたが、相手の子どもたちが「いいよ!」と答えると、自然と笑顔になりました。私はその様子を見て、自然と涙が溢れ、止まりませんでした。

小さな一歩。
けれど、私たちにとって、大きな大きな一歩でした。

帰り道、娘さんは「今日○○ちゃんと遊んだんだよ!」と嬉しそうに話してくれました。その日はAさんにとっても忘れられない日になったそうです。

当時のことをAさんは、

友達と遊ぶにつれ変わっていく娘に「こんなに前向きになれる」とは、思いませんでした。少しずつ、焦らせずに…を心がけていましたが、親としては、やはり気が気でなかったですね。

と語ってくれました。

その後も絵本を活用してサポート

Aさんは、娘さんの成長をさらに後押しするために、他の絵本も一緒に読むようになりました。

『きみがすき』を読んだときには、

「○○ちゃんに『一緒に遊ぼう』って言ってみる!」

と自分から宣言。

実際にその日の幼稚園で、気になっていた子に声をかけ、さらに新しい友達を作ることができたそうです。

Aさんいわく、

「絵本を読むたびに、娘の中で少しずつ何かが変わっていくのを感じました。友達作りが一気に得意になるわけではないけれど、小さな勇気を重ねていく姿を見て、本当に嬉しかった」

とのことでした。

親子の絆も深まる絵本の力

さらにAさんは、

「絵本は娘だけでなく、私自身にも良い影響を与えてくれました」

と話します。

絵本を通して娘さんの考えや感じていることを知ることができたのは、Aさんにとって大きな発見だったそうです。

これまで気づけなかった娘さんの心の中に触れ、「もっと寄り添っていこう」という思いが強まったと言います。

たとえば、『おおきな木』を読んだときには、娘さんが「木みたいに全部あげるのってすごいけど、ちょっとかわいそう」と言ったそうです。

その言葉にAさんはハッとさせられ、「無理に何かをしてあげることだけが友情じゃない」という新しい視点を学ぶきっかけになったと言います。

絵本を通じた変化は小さな一歩の連続

Aさんの体験を聞いて感じるのは、絵本がもたらす変化は劇的なものではなく、小さな一歩の積み重ねだということです。

友達作りが苦手な子どもにとって、「誰かに声をかける」ことや「一緒に遊ぼうと誘う」ことは、大人が想像する以上に大きな挑戦です。

その挑戦を後押ししてくれるのが絵本の力なのです。

Aさんは、「絵本がなければ、娘はまだ自信を持てなかったかもしれない」と言います。だからこそ、絵本は単なる読み物としてだけでなく、親子で成長を共有するための大切なツールだと改めて感じました。

親として気づいたこと

最後にAさんはこう語ってくれました。

友達作りを通じて娘が成長する姿を見られるのは、親として本当に嬉しいことです。

でも、その成長を急かしたり、結果を求めたりするのではなく、寄り添いながら小さな成功体験を積ませてあげることが大切だと学びました。

絵本を通じて子どもが一歩踏み出す瞬間を見守る――それは親子にとって特別な時間となるでしょう。

この記事を読んでいる皆さんも、ぜひお子さんと一緒に絵本を手に取ってみてください。その中に、新しい未来へのヒントがきっと隠れているはずです。

ネットで見つけたパパママの声:実際に効果を感じた絵本とは?

絵本が友達作りに役立つという話を聞いても、「本当に効果があるの?」と半信半疑になる親御さんもいるかもしれません。

そこで今回は、ネット上で見つけた絵本を使った体験談やコメントをもとに、どのような効果があったのかを具体的にお伝えします。

「ともだちや」を読んで心が変わった子どもの話

あるママのコメントには、こんなエピソードがありました。

息子が友達作りに悩み、「友達ってどうやって作るの?」と相談されたとき、子供には子供の世界があり、どのようにアドバイスすればいいのか本当に悩みました。何かヒントになるものを探して『ともだちや』を一緒に読みました。

『ともだちや』を何度も読むうちに、息子が「キツネみたいに話しかければいいのかな?」と前向きに考えるようになり、翌日から自分で積極的に行動を始めたとのこと。

「絵本のストーリーが子どもに分かりやすく響いたのでは…?」と語っていました。

このように、物語を通して子どもが具体的な行動イメージを持つことが、絵本の大きな効果の一つだと言えるでしょう。

「おおきな木」を読んで友情の価値を学んだ体験

別のパパさんの投稿では、『おおきな木』を息子と一緒に読んだ体験が紹介されていました。

この絵本をきっかけに、息子は「友達にしてもらうばかりじゃなくて、自分も何かしてあげたい」という思いが芽生えました。実際に、息子がクラスメイトにお菓子を分けてあげるなど、行動に移していました。

というエピソードも書かれていました。

絵本を通じて学ぶのは「友情の理想像」だけでなく、それを実践する小さなきっかけや気づきも得られるのだと実感します。

「きみがすき」が背中を押した一歩

『きみがすき』に関する口コミでは、子どもが「好き」という気持ちを伝える勇気を持てるようになったという意見が目立ちました。

あるママは、

「うちの子は恥ずかしがり屋で、自分から話しかけることができなかったけれど、この絵本を読んで『明日、○○ちゃんに遊ぼうって言ってみる!』と言い出しました」

と感動のコメントを残しています。

子どもにとって「言葉にして伝える」ことは意外に難しいもの。シンプルで明快なメッセージが、子どもの心をそっと押してくれるのです。

親たちの共通の感想:「一緒に読むことが大事」

ネット上のコメントを見ていると、多くの親御さんが「絵本をただ与えるのではなく、一緒に読むことが大切」と感じていることが分かります。

読んだ後に子どもと感想を話し合うことで、どんな気持ちでいるのかが分かりました。

という声も多く、「絵本が親子のコミュニケーションのきっかけになる」との意見が目立ちました。

絵本を使った友達作りの効果を引き出すには?

親御さんたちの声をまとめると、絵本を効果的に使うためには次のポイントが大切だと考えられます。

  1. 親子で一緒に読むこと
    子どもがどんな部分に興味を持ったか、どんな気持ちになったかを共有することが大切です。
  2. 絵本を日常生活に結びつけること
    物語の中で学んだことを、実際の友達作りにどう活かせるかを具体的に話し合ってみましょう。
  3. 複数の絵本を試してみること
    一冊で十分な効果が出ない場合もあります。さまざまな絵本を読むことで、子どもに合ったストーリーが見つかるかもしれません。

まとめ 「絵本を通じて、子どもの友達作りをそっと応援しよう」

友達作りに悩む子どもたちにとって、絵本はただの読み物ではなく、心を開き、一歩を踏み出すための「ガイドブック」のような存在です。

物語を通じて自分を見つめ、登場人物と共感しながら「自分にもできるかも」という小さな勇気を育むことができます。

また、絵本を親子で読む時間は、子どもの心の中を知るきっかけになり、親としてのサポートの方向性も見えてきます。

ただ「頑張って」と励ますだけではなく、絵本の物語を通じて、自然と子どもが次の行動を考えられるように寄り添うことが重要です。

友達作りの悩みは一朝一夕で解決するものではありません。

でも、絵本をきっかけにした小さな成功体験を積み重ねることで、子どもの心は少しずつ前向きに変化していきます。

親としてできることは、絵本を活用してそっと背中を押し、温かく見守ること。その優しさが、きっとお子さんの未来を明るく照らしてくれるでしょう。

ぜひ今回ご紹介した絵本を親子で楽しみながら、友達作りのヒントを見つけてください。そして、お子さんが新しい一歩を踏み出す瞬間を一緒に喜び合いましょう!