「あぁ、また数字が分からないって泣いている…」
幼稚園や小学校に通い始めた子どもが、数字や算数でつまずく姿を目にするのは、親にとっても辛いものですよね。特に、数字に苦手意識を持ってしまうと、算数や数学だけでなく、その後の学び全般への意欲にも影響が出ることがあります。
でも安心してください!数字が嫌いな子どもでも、楽しみながら数字の世界に触れられる素晴らしい方法があるんです。
その一つが、数字をテーマにした「絵本」です。
絵本には、ただ「読む」だけではなく、物語を楽しむ中で自然と学びにつながる仕組みがあります。例えば、数字を数えたり、形を見分けたりする活動を通じて、子どもたちが「数字って楽しい!」と感じられるようなストーリーが展開されます。
本記事では、数字をテーマにした絵本10選を紹介しながら、その魅力や選び方をお伝えします。
数字が苦手な子どもが増えている?親が知っておきたい学びの第一歩
「もうやだ、数字なんて嫌い!」
こんなふうに数字に苦手意識を持つ子どもの姿に、頭を抱える親は少なくありません。小学校低学年のお子さんを持つ方なら、こうした言葉に心当たりがあるのではないでしょうか。
特に、数字や算数が苦手な子どもが早い段階でつまずいてしまうと、後々の学びにも影響を及ぼすことがあります。
でも、そもそもなぜ、数字が苦手な子どもが増えているのでしょうか?
数字が苦手になる理由とは?
最近の教育現場や家庭環境を見ると、子どもたちが数字に苦手意識を持つ要因がいくつか浮かび上がります。
1. 学習の早期化とプレッシャー
現代では、幼児教育の段階から数字や文字を教えるカリキュラムが増えています。
一見、子どもの成長をサポートしているように思えますが、逆に「まだ準備が整っていない子ども」にとっては大きなプレッシャーとなる場合があります。
例えば、保育園や幼稚園で周りの友達がスムーズに数字を書けている中、うまくできない子どもは「自分はダメなんだ」と感じてしまいます。
2. 遊びを通じた学びの減少
以前は、子どもたちが遊びながら自然と数や形に触れる機会がたくさんありました。かるたや積み木、ボードゲームなど、楽しみながら学べる遊び道具が身近にあった時代です。
しかし、スマートフォンやタブレットの普及により、デジタルコンテンツに触れる時間が増え、実際に手を動かして数える機会が減少しています。その結果、体験を通じた「感覚的な学び」が失われつつあるのです。
3. 学ぶ環境の影響
家庭での教え方も、子どもが数字に苦手意識を持つ一因になることがあります。
親が教え方に悩み、何度も繰り返し指摘してしまうと、子どもは「また怒られるかも」と不安を感じるようになります。
さらには、「なんで分からないの?」という何気ない一言が、子どもにとっては大きなストレスとなり、「数字=苦しい」というイメージを形成してしまうのです。
数字が苦手だとどんな影響が出るの?
数字に苦手意識を持つことは、単に算数や数学だけにとどまらず、日常生活のさまざまな場面にも影響を及ぼします。
たとえば、時計の読み方が分からなければ、時間の管理が難しくなり、学校や習い事のスケジュールを守ることに苦労するかもしれません。また、お金の計算が苦手だと、買い物やおつりの確認がスムーズにできず、社会生活でも不安を抱えることになります。
さらに、「数字ができない」と思うことが積み重なると、「自分は他のことも苦手だ」といった自己否定的な感情に発展しやすくなります。
これは、学び全般への興味や意欲を削ぐ大きな要因にもなりかねません。
子どもが数字を好きになる方法は?
ここで重要なのは、数字に苦手意識を持つ子どもに「楽しい!」と感じてもらうきっかけを作ることです。
実際、教育の専門家たちは「幼少期における学びの原点は遊びや物語を通じた楽しい体験である」と強調しています。この点で、絵本はまさに理想的なツールと言えるでしょう。
絵本は、ただ「読む」だけでなく、キャラクターやストーリーを通じて自然に学びに触れることができます。
例えば、絵本の中で主人公と一緒に数を数えたり、物語の展開の中で問題解決に挑戦したりすることで、子どもたちは「学び=楽しい」という感覚を持つことができるのです。
親ができる第一歩は?
ここで一つ想像してみてください。
あなたのお子さんが、数字に苦手意識を持つ日々から、ある日「これおもしろい!」と絵本をめくりながら笑顔を見せるようになったとしたらどうでしょうか?
例えば、数字をテーマにした絵本を通じて、子どもたちが「いくつかな?」とワクワクしながらページを進めたり、クイズに挑戦したりする姿を見たら、親としても嬉しい気持ちになりますよね。
また、数字に触れる体験を絵本を通じて提供することで、学びの入り口がポジティブなものになります。こうした体験が、数字だけでなく他の教科やスキルにも波及していく可能性が高いのです。
数字をテーマにしたおすすめ絵本10選
数字が苦手な子どもにとって、一番大事なのは「楽しい!」という体験です。
そこで大活躍するのが、数字をテーマにした絵本です。ただ数字を教えるだけでなく、物語やキャラクターとともに学べる絵本は、子どもたちが数字を好きになる第一歩を提供してくれます。
ここでは、数字をテーマにした絵本の中から厳選した10冊を、親子での楽しみ方とともにご紹介します。
1. 『1から10までのすうじえほん』
対象年齢: 2歳~4歳
おすすめポイント: カラフルでシンプルなデザインが特徴のこの絵本は、数字をはじめて学ぶ子ども向けに作られています。
たとえば、「2匹のネコ」「5個のりんご」といった親しみやすいイラストとともに、数字を自然に覚えられる構成です。「次のページでは何が出てくるかな?」と親子で会話を楽しむことで、学びが遊びに変わります。
2. 『ミッケ! 数字の宝さがし』
対象年齢: 3歳~6歳
おすすめポイント: 数字を隠し絵の中から探すゲーム形式の絵本です。
隠された数字を見つけることで、集中力と観察力を養います。「どこにあるのかな?」と一緒に探してみると、親子の会話が弾み、楽しい時間を共有できます。
3. 『おばけのすうじパーティー』
対象年齢: 4歳~7歳
おすすめポイント: 数字がおばけたちになりきり、パーティーを楽しむというユニークな絵本です。
「おばけの3がどこかに隠れているよ!」「5のおばけがケーキを食べているね!」と物語に入り込みながら数字を学べます。数字がキャラクターとして描かれているので、数字への親近感が生まれます。
4. 『10ぴきのカエル』シリーズ
対象年齢: 3歳~6歳
おすすめポイント: 10匹のカエルたちが繰り広げる冒険がメインテーマのシリーズ。
たとえば、「1匹ずつ池に飛び込む」シーンでは、自然に数を数える練習ができます。「次は何匹かな?」と一緒に数えながら、楽しいストーリーを体験できます。
5. 『かぞえてみよう!たのしいどうぶつえん』
対象年齢: 4歳~8歳
おすすめポイント: 動物園を舞台に、動物たちを数える物語です。
「3頭のゾウ」「6羽のオウム」といった形で、数字と動物を結びつけることで記憶に残りやすい構成です。絵本を読み終わった後に、「次に動物園に行ったら数えてみようね!」という親子の会話が広がります。
6. 『100まいのかみひこうき』
対象年齢: 5歳~8歳
おすすめポイント: 主人公が100枚の紙飛行機を飛ばす挑戦を通じて、大きな数字に触れる物語です。
「こんなにたくさん!」という感覚を通じて、子どもたちに大きな数字のイメージを伝えます。さらに、「じゃあ私たちも一緒に作ってみようか!」と工作につなげることもできます。
7. 『すうじのふしぎななぞ』
対象年齢: 6歳~10歳
おすすめポイント: 探偵気分で数字の謎を解いていくストーリー。
たとえば、「10の中にはどんな秘密があるの?」という問いかけがあり、考えながらページをめくる楽しさがあります。数字に興味を持たせるきっかけとして最適です。
8. 『いくつかな?たしざんのえほん』
対象年齢: 6歳~9歳
おすすめポイント: 足し算をテーマにした絵本で、具体例を通じて計算を学べます。
「3匹のネコに1匹が加わったら、何匹かな?」といったストーリー展開が特徴で、子どもが自然に計算の考え方を身につけられます。
9. 『ねずみくんのすうじあそび』
対象年齢: 3歳~6歳
おすすめポイント: ねずみくんが数字を使った遊びを提案する絵本。たとえば、「1匹のネズミがチーズを3つ見つけたよ!」といったシンプルな構成で、数える楽しさを感じられます。
10. 『すうじがだいすき!ねこのおはなし』
対象年齢: 4歳~7歳
おすすめポイント: ネコが数字を使って日常生活を楽しむストーリー。
たとえば、「ネコが5本の魚を探している」といったエピソードが描かれ、数字を身近なものとして感じられる工夫がされています。
絵本をもっと楽しむために
絵本を効果的に活用するには、ただ読むだけでなく、親子で一緒に楽しむことが大切です。以下の工夫を取り入れてみましょう。
工夫 | 具体例 |
---|---|
声に出して数える | 「1、2、3…」と一緒に数えながら読み進めることで、数える感覚を身につける。 |
クイズ形式で楽しむ | 「次のページには何匹いるかな?」と予想させることで、好奇心を刺激する。 |
実生活と結びつける | 「今日の晩ご飯のおかず、何個あるかな?」と日常の中で数を意識させる工夫を取り入れる。 |
絵本で数字を学ぶことのメリット
1. 楽しい学びの入り口を作れる
絵本は、カラフルなイラストや物語の力で子どもを惹きつけます。
数字そのものだけでなく、物語の中でキャラクターと一緒に数を数えたり、冒険を楽しんだりすることで、自然に数字に触れる体験を作ります。
「学ぶ」というよりも「遊ぶ」感覚で数字に親しむことができるため、苦手意識を持つ前に数字に慣れることができます。
2. 親子のコミュニケーションが深まる
絵本を一緒に読む時間は、親子の大切なコミュニケーションの場です。
子どもが「これ、どういうこと?」と質問したり、親が「次のページにはいくつあると思う?」と問いかけたりすることで、会話が自然に生まれます。
これにより、数字を学ぶことが「楽しい時間を共有すること」として記憶されるのです。
3. 数字を感覚的に理解できる
絵本では、数字が具体的なイメージや場面と結びつけられています。
たとえば、「3羽の鳥」や「10個のリンゴ」といった描写によって、数字が単なる記号ではなく、現実の物事と関連づけて理解できるようになります。この具体化は、特に幼児期における数字の学びにおいて非常に効果的です。
4. 数字以外の学びも広がる
数字をテーマにした絵本には、数を数える以外にも学べるポイントがたくさんあります。
たとえば、ストーリーの展開やキャラクターの行動を通じて、問題解決や協力の大切さを学ぶことができます。また、絵本を通じて得た好奇心が、他の学びにも波及することがあります。
5. 子どもの集中力や想像力を育てる
物語を楽しみながら数字を探す活動は、集中力を養うのにぴったりです。
また、キャラクターや場面を想像することで、創造力も自然と育まれます。たとえば、数字を隠し絵として探す絵本は、観察力や注意力を高める効果も期待できます。
絵本で数字を学ぶことのデメリット
1. 絵本だけでは限界がある
絵本は、数字を学ぶ最初のきっかけには最適ですが、すべての数学的な概念を網羅できるわけではありません。
たとえば、掛け算や割り算など、より高度な数学の学びには、別の方法を補助的に使う必要があります。そのため、絵本はあくまで「入り口」として位置づけるのが重要です。
2. 子どもが飽きてしまう可能性がある
どんなに楽しい絵本でも、同じ本を繰り返し読むと子どもが飽きてしまうことがあります。
特に数字の絵本は内容が似通っていることも多いため、種類を増やしたり、読み方に工夫を加えたりする必要があります。
3. 親の関与が必要
絵本を活用する際には、基本的に親が一緒に読んだり、サポートしたりする必要があります。
特に小さな子どもは、自分だけで絵本の内容を深く理解するのが難しいため、親の関わりが重要です。忙しい親にとって、この時間を確保するのが難しい場合もあるでしょう。
4. 数字以外に集中が向きがち
絵本は楽しい要素が多いため、子どもが数字ではなくキャラクターやストーリーに集中してしまうことがあります。
たとえば、「この動物かわいい!」に意識が向き、数を数える部分がおろそかになることもあります。
5. 子どものレベルに合わないと逆効果になる
絵本が子どもの年齢や理解力に合っていない場合、逆に混乱を招くことがあります。
たとえば、数字をまだ全く理解していない子に足し算の絵本を与えても、「分からない」という気持ちが強まり、興味を失ってしまう可能性があります。
絵本の活用を最大化するための工夫
デメリットを最小限にし、メリットを最大限に活かすためには、以下のような工夫を取り入れると効果的です。
工夫 | 内容 |
---|---|
年齢やレベルに合った絵本を選ぶ | 子どもの理解度に合った内容の絵本を選ぶことで、適度な挑戦と達成感を得られる環境を作る。 |
親子で会話を楽しむ | 「これ、いくつあるかな?」と質問を投げかけたり、ストーリーについて話し合ったりすることで学びを深める。 |
他の学びと組み合わせる | 絵本で学んだ内容を日常生活で実践する。たとえば、「今日の買い物でみかんを5個数えてみよう!」といった形で応用する。 |
バリエーションを持たせる | 数字の絵本だけでなく、遊びやゲームを組み合わせることで飽きを防ぎ、学びを楽しいものとして継続する。 |
まとめ
数字に苦手意識を持つ子どもにとって、「楽しい!」と感じられる環境を作ることが何より大切です。そのために、絵本というツールは強力な味方となります。
カラフルなイラストや親しみやすいキャラクター、そして物語を通じて、数字を単なる「勉強」ではなく、遊びや冒険として体験できる絵本は、学びの入り口に最適です。
一方で、絵本だけに頼りすぎることなく、親子で一緒に読んだり、日常生活の中で実際に数を数える体験を増やしたりすることで、より効果的に数字に親しめます。
例えば、「このリンゴ、いくつある?」といった日常的な問いかけをすることで、絵本での学びが生活の中でも生かされていきます。
今回紹介した絵本を参考に、お子さんの年齢や興味に合ったものを選び、親子で楽しんでみてください。数字を「楽しい!」と感じる最初の一歩を、ぜひ絵本から始めてみましょう。
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