パパが主役！お父さん向け絵本読み聞かせ特集

「今日も遅くなっちゃったな……」
会社帰りの電車の中で、そうつぶやくあなた。ふとスマホを見ると、妻からのメッセージに添えられた写真が目に留まります。

それは、子どもが嬉しそうに絵本を読んでいる姿。

「ああ、こういう時間にもっと一緒にいられたらな」と思う反面、仕事で忙しい毎日に追われる自分には、なかなかそんな余裕がない……。

でも想像してみてください。

あなたの低くて安心感のある声で語られる絵本の世界に、子どもが目を輝かせる姿を。

パパが主人公となって、物語を読み聞かせることで、親子の絆が深まり、何年経っても語り継がれるような特別な時間を作ることができたら――それって素敵だと思いませんか？

この記事では、絵本読み聞かせが忙しいパパたちにとっても実現可能な「親子の時間」になる方法を提案します。

1. パパたちの読み聞かせ参加率が低い理由

内閣府が実施した「子ども・子育て白書（2024年版）」によれば、週に一度でも絵本を読み聞かせる父親の割合はわずか30％未満。一方、母親は70％以上が毎日行っているというデータが示されています。

この数字からも、読み聞かせは「ママの仕事」という固定観念がまだ根強いことがわかります。

その原因の一つには、「時間がない」というパパたちの声があります。

仕事から帰ってきた後、子どもと遊ぶ体力が残っていないと感じる人も多いでしょう。また、読み聞かせ自体に苦手意識を持つパパも少なくありません。

「どうやって読めばいいのか分からない」「声を変えるのが恥ずかしい」と感じる人もいるのです。

絵本の読み聞かせが子どもに与える影響は計り知れません。

特に、以下のような効果が科学的に証明されています。

語彙力の向上
　2016年の米国の研究では、親が子どもに絵本を読み聞かせることで、語彙力が大幅に向上することが報告されています。絵本は日常会話では使わない豊かな言葉を含むため、子どもの言語発達に役立ちます。
想像力の刺激
　絵本は文字だけでなく、イラストやストーリー展開によって、子どもの想像力を引き出します。特に、パパのユーモアや個性的な声色は、物語の世界観をより鮮やかに演出することができます。
親子の絆を深める
　読み聞かせは、子どもと親が1対1で向き合う貴重な時間です。「パパとだけの特別な時間」を子どもが感じることで、親子の信頼関係が深まります。

「パパの読み聞かせには、ママとは違う魅力がある」。

これは、多くの育児研究者が指摘する事実です。低く力強い声、ユーモアにあふれる語り口、そしてパパ独特の視点が、物語に新たな命を吹き込みます。

でも、いざ「やってみよう」と思っても、どこから始めればいいのか分からない、という声もよく聞きますよね。

ここでは、忙しい日々の中でも気軽に取り組める「パパならではの読み聞かせ」の方法や、おすすめの絵本、さらに読み方の工夫を具体的にご紹介します。

どんな絵本を選べばいいか分からないというパパも多いかもしれません。以下は、パパにおすすめのテーマや作品です：

仕事と家族を描いた絵本
　『パパのしごとはわるものです』は、ヒーローもの好きな子どもに大人気の作品です。普段は子どもと接する時間が少ないパパも、この絵本なら親近感を持って読めるでしょう。
冒険やチャレンジの物語
　『おおきな木』や『ちいさいおうち』など、成長やチャレンジをテーマにした絵本は、パパが語り手となることで深みを増します。
笑える絵本
　『だるまさんが』シリーズや『いないいないばあ』はシンプルながらも笑いを誘う内容で、読み聞かせが初めてのパパにも最適です。

読み聞かせをもっと楽しい時間にするためのコツを紹介します。

時間を固定する
　毎晩、寝る前の15分を「絵本タイム」と決めることで、習慣化しやすくなります。
声色を工夫する
　キャラクターに合わせて声を変えるだけで、子どもの反応が一変します。「魔女の声は低く、勇者の声は高く」など、少し演技を加えると楽しいです。
子どもの反応に耳を傾ける
　「ここ、どう思う？」と話しかけながら読むと、子どもの想像力を引き出しやすくなります。また、子どもの「もう一回！」には積極的に応じてあげましょう。